外壁塗装は、建物の美観を守るだけでなく、雨水や紫外線から外壁を守る重要な役割を担っています。しかし、経年劣化や施工不良によって塗装が剥がれてしまうと、外壁だけでなく建物の構造体にも深刻な被害をもたらす可能性があります。本記事では、外壁塗装の剥がれを放置した場合のリスクと、適切な対処方法について詳しく解説します。
放置は厳禁!外壁塗装剥がれの恐ろしいリスク
外壁塗装の剥がれは、単に見た目が悪くなるだけではありません。
放置しておくと、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。
雨漏りによる建物内部の劣化
塗装が剥がれた所から雨水が侵入し、外壁内部や柱、梁などの構造体にまで浸透すると、雨漏りへとつながります。
雨漏りは、カビや腐食の原因となり、建物の構造体や内装を劣化させ、最悪の場合には建物の倒壊にもつながる可能性があります。
断熱性能の低下
外壁塗装は、断熱材を覆う役割も担っています。
塗装が剥がれると、断熱材がむき出しになり、断熱性能が低下します。夏は室内が暑くなり、冬は暖房効率が悪くなり、光熱費の増加にもつながります。
建物の資産価値の低下
外壁塗装が剥がれたままの状態では、建物の外観が損なわれ、資産価値が大きく低下します。
とくに、売却や賃貸を検討している場合は、早めの補修が必須です。
健康被害のリスク
外壁塗装が剥がれた箇所からカビが発生し、胞子を飛散させる可能性があります。
カビは、アレルギーや呼吸器疾患などの原因となるため、健康被害のリスクも高まります。
早めの補修が重要!外壁塗装剥がれの対処方法
外壁塗装の剥がれを発見したら、早急に対処することが重要です。
放置すればするほど、被害は拡大し、補修費用も高額になります。
軽微な剥がれの場合
軽微な剥がれであれば、DIYで補修できます。
ホームセンターなどで販売されている補修材を使用して、剥がれた部分を塞ぎ、塗装します。しかし、高所での作業は危険を伴うため、専門業者に依頼することをおすすめします。
広範囲の剥がれの場合
広範囲にわたって剥がれている場合は、専門業者による補修が必要です。
補修方法としては、「塗り替え」、「カバー工法」、「張り替え」の3種類が考えられます。まず、塗り替えは、既存の塗装を剥離し、新しい塗料で塗装する方法です。最も一般的な補修方法ですが、剥がれの範囲や外壁材の種類によって、適切な塗料や工法が異なります。
専門業者は、豊富な経験と知識にもとづき、最適な塗り替えプランを提案してくれます。カバー工法は、既存の外壁材の上に新しい外壁材を貼り付ける方法です。
外壁材の種類によっては、塗り替えが難しい場合がありますが、カバー工法であれば、外壁材を張り替えることなく補修できます。カバー工法には、サイディングカバーと金属サイディングカバーの2種類があります。
サイディングカバーは、既存のサイディングボードの上に新しいサイディングボードを貼り付ける方法です。金属サイディングカバーは、既存の外壁材の上に金属製のサイディングボードを貼り付ける方法です。
張り替えは、既存の外壁材を撤去し、新しい外壁材を張り付ける方法です。最も費用がかかる補修方法ですが、外壁全体を新しくすることができ、断熱性能や耐震性能を向上させられます。
外壁塗装の剥がれを補修する費用相場
外壁塗装の剥がれを補修する費用相場は、以下の通りです。
塗り替えで剥がれを補修する
外壁塗装の塗り替えとは、上塗りで剥がれた所を補修していく方法になります。
剥がれの度合いが進行している場合は、塗膜を剥離して外壁全面に塗装することもあります。費用相場は30坪2階建て規模の建物場合、90〜140万円程度です。
カバー工法で剥がれを補修する
カバー工法とは、剥がれが発生している外壁材の上に新しい外壁材を貼り付けて、古い外壁材を覆う工法です。
費用相場は30坪2階建て規模の建物場合、150〜200万円程度です。
張り替えで剥がれを補修する
張り替えとは、外壁材を撤去して新しい外壁材を張り替える補修方法で、剥がれが発生している所のみの部分張り替えと、外壁全面の張り替えから選べます。
費用相場は30坪2階建て規模の建物場合、200〜300万円程度です。
まとめ
外壁塗装の剥がれは、建物の美観だけでなく、機能性にも影響をおよぼす重大な問題です。剥がれを放置すると、雨漏りや断熱性能の低下など、建物全体に深刻な被害をもたらす可能性があります。剥がれが軽微な場合はDIYでの補修も可能ですが、広範囲にわたる場合や構造体に被害が及んでいる場合は専門業者に相談することが必要です。放置せず、早めの補修を心がけましょう。