新築から10~15年ほど経って、外壁塗装リフォームを検討している方も多いでしょう。しかし、業者選びに悩む方は少なくありません。業者の中には雑な塗装を行ったり、後から高額請求をしたりするような悪徳業者も存在しています。後悔しないためには、信頼できる業者かどうか見極めることが大切です。そこで今回は、業者選びのポイントを解説していきます。塗り替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
悪徳外壁塗装業者のよくある手口
悪徳業者に騙されないためには、よくある手口や特徴を把握しておくことが大切です。「騙されるかもしれない」という意識をもって、慎重に業者を選ぶようにしましょう。
所在地があいまい
本社や営業所などの所在地があいまいな業者には注意が必要です。なぜなら、所在地がはっきりしていない業者は、何か後からトラブルが発生した際に責任をもって対応してくれない可能性が高いからです。
サイト上に住所が明示されていなかったり、住所としてワンルームマンションが記載されていたりする業者は、疑って見たほうがよいでしょう。
大幅値引き
「半額」や「〇%引き」などと、目を惹くような大幅値引きを謳う業者には注意しましょう。住まいの現状を診断し、状況に応じて見積もりを算出するのが一般的な流れです。住まいごとに異なる見積もりから、さらに大幅に値引きをするというのは通常ではありえません。
悪徳業者の中には、塗料を薄めて使っていたり、本来は数日かかる工程を1日で終わらせたりして、工事品質を下げて大幅値引きでも利益を確保しているところもあります。後からトラブルが発生する可能性が高いため、かえって余計な出費になる恐れがあります。
追加工事
塗装工事は、住まいの劣化状況によって後から追加工事が求められるケースもあります。しかし、悪徳業者の場合、契約時には適正な見積もりを提示していたものの、契約後に「追加工事が必要になった」として高額な費用を請求してくるところもあります。
このような手口は、本当に必要な工事なのか、それとも初めからだますつもりだったのか、一般の方では見極めが難しいでしょう。後悔しないためにも、契約前に追加工事の可能性を確認しておくことが大切です。
また、追加工事が発生したとしても、どのような工事なのか確認することを徹底しましょう。
訪問販売には要注意
公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」によると、リフォーム工事における訪問販売のトラブルは年々増加傾向にあります。2012年のリフォーム相談のうち、訪問販売によるトラブルは334件であったのが、2015年には673件にまで増加しています。
訪問販売を実施している業者のすべてが悪徳業者というわけではありませんが、トラブルを回避するためには「今日契約したら安くなります」「すぐに工事しないと大変なことになります」といった提案には注意しましょう。とくに、即日契約を求めてくる業者には要注意です。
本当に外壁塗装工事が必要なのかどうか、じっくりと検討して依頼することをおすすめします。
外壁塗装業者選びの事前準備
外壁塗装業者を選ぶ際に踏むべきステップを紹介します。
さまざまな媒体で情報を集める
外壁塗装について知識のない方も多いことでしょう。まずは、候補となる業者情報をさまざまな媒体で集めることが大切です。
情報源としては「チラシ」「新聞広告」「近隣住民や友人の紹介」「インターネット」などが挙げられます。塗装工事は、施工後にトラブルが発生するケースもあるため、車で40分圏内の業者を選ぶとよいでしょう。
また、知り合いの紹介であれば信ぴょう性が高いため、最近塗装工事を行った方がいれば相談してみるのもおすすめです。さらに、インターネット環境があれば、近隣の外壁塗装業者について情報を得ることができます。
複数の業者の中で比較する
外壁塗装業者について調べるうちに、信頼できる業者の候補が複数社上がってくることでしょう。その中から一社に絞り込むためには、さまざまな角度から比較する必要があります。
単に価格の安さで比較するのではなく、自宅からの距離やこれまでの実績、実際に利用した方の口コミなどを参考にして、信頼できる業者かどうか見極めましょう。
信頼できる業者選びのポイント
候補がいくつか見つかった方に向けて、業者選びのポイントを紹介します。悪徳業者に騙されないためにも、下記の内容を必ず押さえておきましょう。
正確に診断してくれるか
外壁塗装においては、まず住まいの状態を診断してもらう必要があります。診断とは、実際に現場に足を運んで、住宅の劣化状況を確認することです。塗装工事の見積もりは、診断内容を基に算出するため、診断をしないという業者には依頼しないようにしましょう。
しかし、診断をする業者であれば信用できるかというと、そうとも言い切れません。なぜなら、知識や経験が不足しているため、適切な診断ができない業者も存在しているからです。
正確に診断ができなければ、必要な補修工事や適切な塗料を見立てることができず、長期間にわたって品質を保つことができません。「外壁劣化診断士」や「建築士」などの専門資格をもったプロが対応している業者であれば、安心して任せることができます。
また、下から見るだけでなく、屋根に上ってしっかりと確認してくれる業者であれば信頼できます。
適正価格を提示してくれるか
住まいの状況を診断した上で、適正価格を提示してくれる業者であれば信頼できます。外壁塗装にかかる費用は、住宅の大きさや劣化状況、使用する塗料によって異なるため、一概にいくらとは言い切れませんが、法外な価格を提示されたときのために、あらかじめ費用相場を把握しておくことは大切です。
一般的な2階建て住宅の場合、80~150万円ほどが外壁塗装の費用相場となっています。あまりにも相場からかけ離れている時には、ほかの業者にも相見積もりを取ることをおすすめします。
見積書に根拠が明示されているか
見積書を提示された際には総額だけでなく、材料費と施工費が分けて記載されているかをチェックしましょう。材料費と施工費が分かれていない場合には、それぞれにいくらかかっているのかわからないため、必要な塗料を間引いて利益を確保しようとしていても気づくことができません。詳細がわからない見積書を提示された場合には、分けて記載するように依頼してみましょう。
また、塗装面積が㎡単位で記載されているかどうかも、適正な見積もりかどうか判断するひとつの材料です。なぜ塗装面積に着目するのかというと、塗装面積は必要な塗料の量を決める根拠となっているからです。
当然のことながら、塗装面積が広いほど必要となる塗料の量も増えます。坪数表記の塗装面積では正しい塗装面積が算出できていない可能性が高いため、信用できません。
保証体制の充実度
リフォーム工事は、新築とは違って保証に法的な義務が課されていません。そのため、保証体制が充実している業者であれば、工事内容に責任をもってくれることがわかります。
また、保証があるからといって手放しに信用するのではなく「何を」「どこまで保証してくれるのか」まで踏み込んで確認しておきましょう。実際に保証書を発行してくれる業者であれば、安心して任せられます。
まとめ
今回は、悪徳な外壁塗装業者の手口や騙されないためのポイントを紹介しました。外壁塗装工事は、業者によって品質も価格も異なります。長持ちさせるためには、適正価格で質の高い工事を行ってくれる業者を選ぶことが大切です。業者選びに悩んでいる場合には、まずさまざまな媒体で情報を収集することから始めてみましょう。身近に外壁塗装工事を行った知人や友人がいれば紹介してもらうのもよいですし、そうでない場合にはインターネットやチラシ、新聞広告などを使って広く情報を集めましょう。その上で、信頼できる業者かどうか見極めるために、診断内容や見積書、保証内容を細かくチェックするとよいでしょう。