外壁塗装は、建物の美観を保つだけでなく、風雨や紫外線から住宅を守る重要な役割を担っています。しかし、塗装業者によって塗り回数が異なり、4回塗りが必要なのかどうか悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、外壁塗装の基本的な回数と、4回塗りのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
外壁塗装の基本的な回数
一般的に3回塗りという回数は、外壁塗装が持つ本来の機能を発揮させるために必要な最低限の回数です。それぞれの工程がどのような役割を果たし、なぜ3回塗りが必要なのか、詳しく見ていきましょう。
下塗り
下塗りは、上塗りをしっかりと密着させるために塗る重要な層です。外壁材の表面を整え、細かいひび割れを埋めて、塗料の吸い込みを防ぎます。
下塗りが不十分だと、上塗りが剥がれやすくなったり、外壁材と塗膜の間に隙間ができ、そこから雨水が侵入したりする原因になります。下塗りは、外壁材の種類や状態によって適切なものが異なってきます。
一般的には、シリコン系やアクリル系の下塗りが使用されますが、窯業系サイディングの場合は、専用のシーラーが必要になる場合もあります。
中塗り
中塗りは、塗膜の厚みを増し、耐久性を向上させることが主な役割です。下塗りと上塗りの間の繋ぎ役として機能し、外壁全体の強度を高めます。
中塗り材には、顔料や樹脂、添加剤などが含まれており、これらの成分が塗膜の硬さや柔軟性、耐候性などを決めます。
上塗り
上塗りは、外壁に美しい色と光沢を与え、紫外線や雨風から守るのが役割です。耐候性や防汚性などの機能を付与する塗料が使用されます。
上塗り材には、さまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
4回塗りの具体的なメリット
4回塗りでは、下塗りを2回行うことで、より厚みのある塗膜を作り、耐久性を向上させられます。外壁材の劣化が激しい場合や、より長い耐用年数を求める場合に有効です。
ひび割れ・クラックに強い
厚みのある塗膜は、外壁材の動きに柔軟に対応し、ひび割れやクラックの発生を抑制します。
築年数が経過した住宅や、寒冷地・積雪地など、外壁材に大きな負荷がかかる環境では、特に効果を発揮するのが特徴です。外壁材は、気温や湿度によって伸縮を繰り返します。
また、地震や台風などの自然災害によっても、外壁材に力が加わります。3回塗りよりも厚い塗膜は、こうした外壁材の動きを吸収し、ひび割れやクラックの発生を防ぐのが大きなメリットです。
防水性が向上
密着性の高い塗膜は、雨水の侵入を防ぎ、雨漏りのリスクを低減します。特に、雨が多い地域や、海沿いの地域では、防水性の高い外壁塗装が重要です。
4回塗りでは、下塗りを2回行うことで、塗膜と外壁材の密着性を高めます。密着性の高い塗膜は、雨水が塗膜と外壁材の隙間に入り込むのを防ぎ、雨漏りの原因となる内部への水の侵入を防ぎます。
藻・カビの発生を抑制
防カビ・防藻機能のある塗料を使用することで、外壁の劣化を抑制できるのがメリットです。日当たりの悪い場所や、湿気の多い場所では、藻やカビが発生しやすい傾向があります。
4回塗りでは、防カビ・防藻機能のある塗料を2回以上使用することで、より効果的に藻やカビの発生を抑制できます。
4回塗りのデメリット
4回塗りは、3回塗りよりも耐久性を向上させられますが、いくつかのデメリットも存在します。
費用が高くなる
4回塗りの最大のデメリットは、費用が高くなることです。3回塗りよりも塗料の使用量が多いため、当然ながら料金も高くなります。
具体的な費用は、使用する塗料の種類や外壁の面積によって異なりますが、3回塗りよりも10~20%程度高くなると考えられます。外壁塗装は、建物の規模や形状、外壁材の種類などによって、費用が大きく変動します。
4回塗りを検討する場合は、見積もりを複数取ることで、相場を把握することが重要です。
工期が長くなる
4回塗りでは、乾燥時間を考慮すると、工期が長くなります。3回塗りよりも1~2日程度長くなることが一般的です。工期が長くなるということは、それだけ職人さんの人件費も高くなります。
外壁塗装は、天候や気温などによって、工期が変動する可能性があります。
悪徳業者のターゲットになりやすい
4回塗りは、必要ないのに悪徳業者が高額な料金を請求されることも多いです。悪徳業者は、4回塗りが必要だと虚偽の説明をしたり、劣悪な塗料を使用したりして、高額な料金を請求するケースがあります。
まとめ
4回塗りは、メリットとデメリットを天秤にかけ、慎重に判断する必要があります。費用や工期、悪徳業者のリスクなどを考慮し、自分に合った塗装回数を選択することが大切です。外壁塗装は、建物の寿命を左右する重要な工事です。適切な業者を選び、自分に合った塗装回数を選択することで、美しい住まいを長持ちさせられます。