一般的な住宅の場合、10年に1度は外壁塗装のメンテナンスが必要といわれています。外壁塗装の塗り替えをする際は、施工してもらう業者や外壁の色、塗装方法などを選ぶ必要があります。そこで、この記事では、塗装方法のうちの1つである「吹き付け塗装」について紹介しましょう。これから外壁塗装を検討している人は参考にしてください。
吹き付け塗装とは
吹き付け塗装とは吹き付け機械を使って塗料を霧状にし、外壁に吹き付ける塗装方法です。かつて日本の住宅では吹き付け塗装が主流でしたが、近年では吹き付け塗装を選ぶ人は減少しています。吹き付け塗装に適しているのはモルタル外壁ですが、近年の住宅ではモルタル外壁が減っているためです。モルタル外壁に変わって増加しているのが、ローラー塗装法が使われるサイディング外壁で、近年の住宅では主流になっています。
ローラー塗装が一般的
ローラー塗装とは毛やスポンジがローラー状になったものに塗料を含ませ、外壁に塗っていく塗装方法です。吹き付け塗装との大きな違いは、塗料が周囲に飛散しにくいということでしょう。
近年の日本では周辺の住宅との距離が近い傾向にあります。塗料が周辺の住宅まで飛散してしまうと、ご近所トラブルにもなり兼ねないことから、塗料が飛散しにくいローラー塗装が主流になったといわれているようです。
吹き付け塗装のメリット
近年では減少しつつある吹き付け塗装ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。まず1つめは、外壁にさまざまな模様をつけられることが挙げられます。リシンやスタッコ、スキン、吹き付けタイルといった塗装仕上げは、吹き付け塗装でしかできません。そのため、外壁に使いたい模様がある人は、吹き付け塗装がおすすめです。
2つめのメリットは、作業スピードが速いという点でしょう。吹き付け塗装の作業時間は、ローラー塗装に比べると数倍早いとされており、大規模な建物などの塗装は吹き付け塗装が選ばれることが多いようです。
吹き付け塗装のデメリット
吹き付け塗装には周囲に塗料が飛散しやすいというデメリットがあります。そのため、飛散してしまう分量を計算して、塗料を余分に用意しなければなりません。吹き付け塗装では、塗料の20%が飛散して無駄になってしまうといわれているようです。
さらに、近隣に塗料が飛散してしまわないようにするため、養生を念入りに行う必要があります。また、吹き付け塗装は風に流されやすく、風が強い日は作業ができないと判断される場合もあるようです。また、吹き付け塗装は機械を使うため、騒音が発生する可能性もあります。住宅が密集している場所では、騒音トラブルになるリスクもあるため注意が必要です。
吹き付け塗装とローラー塗装どっちがよいの?
ここまで吹き付け塗装とローラー塗装の特徴をそれぞれ紹介してきましたが、結局どちらの塗装の方がよいのでしょうか?実は吹き付け塗装でもローラー塗装でも、施工手順を守って丁寧に塗装した場合では仕上がりや耐用年数に差はありません。吹き付け塗装で均一に塗装ができるかどうかは、職人の技量次第といえるでしょう。
また、ローラー塗装であっても塗料の希釈率や塗りの回数、乾燥時間をしっかりと守らないと、キレイな仕上がりにはなりません。そのため、どちらの塗装方法を選ぶにしても、大切なのは高い技術を持った業者を選ぶことです。
近年はローラー塗装が主流となっていますが、それは決して吹き付け塗装の方が劣っているからではありません。どちらの塗装方法でも、技術をもつ職人が施工すればキレイな外壁に仕上がります。希望する外壁の雰囲気や周囲の環境を考えた上で、適切な塗装方法を選ぶようにしましょう。