樹脂系サイディングボードについてご存じですか?外壁材の中でもその強度に特徴があり、メンテナンスいらずともいわれています。これから家を建てる人、リフォームをする人にとっては気になりますよね。ここでは樹脂系サイディングボードについて、そのほかの特徴も含めて詳しくご紹介します。
樹脂系サイディングボードとは
樹脂系サイディングボードはその名の通り、塩化ビニール樹脂から作られたサイディングボードです。塩化ビニール樹脂とはプラスチックの一種で、その原料の6割が天然塩、4割が石油でできています。1965年にアメリカで誕生した樹脂系サイディングボードは、その後、北米やカナダで広く使われるようになりました。日本に入ってきたのは1990年代後半です。凍害に強いという特徴から、北海道などの寒冷地で使用されることがあります。
樹脂系サイディングボードのメリット
ここからは、樹脂系サイディングボードのメリットとデメリットを見ていきましょう。メリットは主に次の5つです。
1.素材が軽く耐震性が高い
2.耐久性に優れている
3.凍害・塩害に強い
4.防火性・防水性が高い
5.メンテナンスが少なくて済む
1.素材が軽く耐震性が高い
樹脂系サイディングボードは素材の重さが窯業系サイディングボードの約10分の1と大変軽量です。そのため、家への負担が少なくなり、耐震性にも優れています。
2.耐久性に優れている
割れに強く、変色しにくいという性質を持ち、耐久性に優れています。耐用年数は20~30年ほどとかなり長期になるのです。
3.凍害・塩害に強い
凍害に強い性質で、かつ塩分によるサビの心配もありません。寒冷地や海浜地ではその長所を発揮できるでしょう。
4.防火性・防水性が高い
450度までは燃えず、燃えても、燃えているほかのものと接していなければ火が消えます。撥水性にも優れているため、雨や水にも安心です。
5.メンテナンスが少なくて済む
材料の耐久性が優れているため、メンテナンスがほとんど必要ありません。
樹脂系サイディングボードのデメリット
次に、樹脂系サイディングボードのデメリットをご紹介します。デメリットは主に3つです。
1.初期費用が高い
2.デザインの種類が少ない
3.施工可能な業者が少ない
1.初期費用が高い
樹脂系サイディングボードの材料費は安価です。ただし施工が難しいため、工事費を含めた初期費用がほかのサイディングボードよりも高くなってしまいます。
2.デザインの種類が少ない
選べるデザインや色の種類が非常に少ないので、たくさんの選択肢の中から選びたい人には向かないでしょう。
3.施工業者が少ない
樹脂系サイディングボードはその素材の特性(温度によって伸び縮みが激しい)から、気温によって取り付け方が違います。そのため高い技術が必要となり、依頼できる施工可能な業者が限られています。
ほかのサイディングボードとの違い
サイディングボードの種類は4つです。樹脂系のほかに、窯業系、木質系、金属系があるのです。では、樹脂系とほかのサイディングボードにはどのような違いがあるのでしょうか。樹脂系は、耐久、耐震、耐凍結でほかの3つよりも勝っているといえるでしょう。耐用年数も20~30年と圧倒的に長期です(ほかの3つは10~15年ほど)。また、ボード同士のすき間をシーリングする必要がないこともあり、メンテナンスが最小限で済みます。一方、サイディングボードの中でデザインのバリエーションがもっとも少なく、デザイン性では劣ります。
まとめ
ここまで樹脂系サイディングボードの特徴を見てきました。何よりも耐久性重視で、施工業者を探す手間を惜しまない、そんな人に向いている外壁材といえそうですね。