建物の耐用年数は使用されている部材や構造によって異なりますが、一般的には建物全体のリフォームメンテナンス時期の目安として10年という期間があげられます。
10年というのはあくまでも目安ですので、その前後に建物の状態をチェックしリフォームの検討に入ることが賢明と言えます。
外装がどのような状態になったとき塗装が必要になるか?所有者として知っておく必要があります。
屋根の種類によるメンテナンス時期
建物の中でもっとも過酷な条件に曝されているのが屋根です。
その屋根にも永久にメンテナンス不要の和瓦から5~8年で塗装が必要なトタン屋根25年以上持つと言われるガルバニウム鋼板などさまざまな素材があります。
近年多いのはスレート屋根で15年ほどの耐用年数があると言われています。
外壁の種類による耐用年数
木造建築の多い日本ですが、外壁はサイディングやモルタルという建物は少なくありません。
サイディングの場合は8~10年を目安として塗装というよりは張替えを行い、モルタルに関しても同じような周期でのメンテナンス塗装を行うことになります。
もっとも注意が必要なのが板張りの外装で5~7年周期での塗装が必要です。
それ以外にも虫食いやカビ、腐朽には十分注意しなければなりません。
このような症状を発見したら対処を!
屋根、外壁は常に厳しい気象条件のもとに曝されています。
暴風雪や灼熱の太陽によって耐用年数を大きく下回る劣化を示すこともあります。
部位や素材の耐用年数に係わらず以下のような症状を発見したら、いくつかの専門業者に連絡し、しかるべき対処を検討する必要があります。
① チョーキング
外壁の劣化をチェックするもっとも簡単な方法が、壁面を指でなぞることです。
なぞった指先に塗料の粉が付くことをチョーキング現象と言います。
チョーキング現象が表れたら間違いなく塗り替えの時期です。
② クラック
極端な寒暖差、あるいは地震など壁面にクラックを引き起こさせる原因は自然界にたくさんあります。
放置しておくとクラックは拡がり虫や小動物の侵入経路となったり、雨漏りの原因となったりします。
小さなひび割れを発見した時点ですぐに塗装することで被害を最小限に食い止めることができます。
③ 雨漏り
雨漏りになる前に気付くのが理想的ですが、普段から屋根の上をチェックするのは誰にとっても困難なことです。
さらに普通の雨のときは雨漏りしないのに大雨のときだけ雨漏りするというケースもあります。
雨漏りに気付くのが遅れたとしても、気付いたその時がすでに塗り替えの時期だということを心に留めておかなければなりません。
外壁塗装で修復できるうちに対処しておかなければ、大きな補修工事を迫られることになります。
外壁塗装に適した気象条件
外壁塗装の好条件というのは塗料に対する条件と塗装職人の作業条件がそろったときになります。
工程がすみやかに進むように暑すぎず寒すぎずの気温と塗料の乾きを促す乾燥度合いが必要です。
◆気温が5℃以下、湿度が85%以上になると塗料が乾きにくく塗装には向かないと言われています。
夏の炎天下での作業は過酷なものとなり、かじかんだ手指での塗装は精度を欠くことでしょう。
◆結露も塗装作業を妨げる原因となります。
気温20℃、湿度65%程度がもっとも外装塗装に適した気象条件だと言われています。
地域によって気象条件は異なりますが、この温度と湿度を計測するのは春か秋、塗装職人がもっとも忙しくなる時期です。
春は多忙、秋は台風
塗装に適した季節、気象条件はありますが、その時期に必ずしも仕事を依頼できるとは限りません。
春先はどの塗装業者も多忙ですし、秋になると予測のつかない天候の変化が多くなります。
どちらかと言えば、気象条件に合わせるより、建物のメンテナンス時期に合わせて外壁塗装を依頼する方が賢明と言えます。
塗料についても研究開発が進んでおり、真冬の北海道や大雪の日本海側を除けば1年を通して対応できる可能性は決して低くはありません。
雨漏りやクラックを発見したら、ひとまず専門業者に連絡をとってみましょう。