外壁塗装で使う塗料はさまざまな種類があるため、どの塗料を選べばよいか迷う人も多いのではないでしょうか。そのような人におすすめの塗料が、近年注目を集めている「ガイナ塗料」です。この記事では住宅建築やリフォームなどを検討している人に向けて、ガイナ塗料の特徴、メリット・デメリットを解説するため、塗料選びの参考にしてください。
ガイナ塗料とは
日進産業が日本の宇宙ロケット開発の技術を一般家庭の外壁に使用できるように、応用してつくったものがガイナ塗料です。この塗料には温度差の激しい宇宙でも耐えられるほどの機能をもっているとされています。ガイナ塗料に特殊セラミックビーズを配合することによって、夏は涼しく、冬は暖かさを感じるように、室内の温度を一定に保つ効果が期待できるのです。
ガイナ塗料の効果
高い断熱・遮熱効果が期待できるとされているガイナ塗料ですが、この他にもさまざまなメリットがあります。どのような効果が期待できるのか紹介しましょう。
■断熱・遮熱効果
ガイナ塗料は建物の内側に塗布することもできます。冬に暖房をつけるとガイナ塗料を施した箇所の温度が上昇し、そのまま室内に赤外線を効率的に放射してくれるため、部屋の温度を暖かいまま保ってくれるのです。保温効果にも優れていることから、光熱費の節約にもつながるでしょう。また、建物の外壁に塗装した場合は、太陽の光を反射することで遮熱効果が期待できます。そのため、夏は室内を涼しくしてくれるのです。
■遮音・防音効果
ガイナ塗料は一般的な塗料と比べて塗膜の面積が大きいとされています。一般的に音は、塗膜の表面積の大きさに比例して反射するので、塗膜面積の大きいガイナ塗料はより多くの音を遮音・防音してくれるのです。外から侵入してくる音を防いでくれる効果が期待でき、交通量が多い、繁華街に近い場所の住宅に向いているでしょう。さらに、建物内部の生活音や人の話し声を外に漏らさない効果も期待できるので、生活音が気になる人は検討してください。
■消臭・空気質改善効果
ガイナ塗料を外壁や建物の内側に塗装することで、嫌な臭いや汚れ物質の影響を軽減させる効果が期待できるようです。消臭効果と空気質改善効果が期待できる点もメリットでしょう。
■結露抑制効果
ガイナ塗料の塗膜は周りの温度変化に適応する特徴があり、室温と壁や天井との温度差が小さくなることで結露を抑制できるとされています。
■耐久性が高い
ガイナ塗料は紫外線に強く、一般的な塗料よりも1.5~2倍の耐久性をもっています。ガイナ塗料を施した外壁塗装は約15年もつともいわれているのです。建物の外壁は温度の変化によって膨張したり収縮したりを繰り返すため、劣化が進行するケースもあります。しかし、ガイナ塗料の断熱・遮熱効果によって外壁が守られるため、建物の耐久性も向上できるとされているようです。
■安全性が高い
ガイナ塗料は水性の塗料で、塗料独特の刺激臭はほとんど感じません。そのため、低刺激な塗料として高い評価を受けているのです。
ガイナ塗料のデメリット
ここまでガイナ塗料の効果を紹介してきましたが、ガイナ塗料にはデメリットもあります。家の外壁塗装でガイナ塗料を使うことを検討している人は、デメリットにもしっかり目を向けましょう。
■費用が高くつく
ガイナ塗料には多くのメリットがある反面、費用が高くなりやすいデメリットがあります。一般的な住宅の外壁塗装はシリコン塗料が使われることが多く、費用の相場は90~100万円です。しかしガイナ塗料を使った場合の費用の相場は、130~150万円といわれています。耐久性が高い塗料なのでメンテナンスの回数は少なく済みますが、一度にかかる費用が高額になる点を考慮しておきましょう。
■仕上げはツヤなしのみ
一般的な外壁塗装ではツヤありかツヤなしかを選べます。しかしガイナ塗料は、ツヤなしの仕上げのみとされているため、マットな印象の仕上がりになるようです。もともとマットな外壁塗装を希望していた人には問題ありませんが、ツヤありの外壁が好みという人は検討したほうがよいでしょう。
■濃い色にできない
ガイナ塗料の基本カラーは白です。白以外の色にする場合は、白に色を足して希望の色をつくっていきます。そのため、原色のような濃い色にはできないというデメリットがあるのです。
■施工に時間がかかる
ガイナ塗料で外壁塗装する場合、白色の場合は7日程度、色をつける場合は10~14日かかるといわれています。納期を逆算して、早め早めに施工してもらうのがポイントです。
■塗膜に細かい凸凹ができてしまう
ガイナ塗料には中空ビーズが含まれているため、塗膜に細かい凸凹ができてしまうようです。フラットな塗膜にしたい人はガイナ塗料の使用を再検討してみましょう。
ガイナ塗料はこんな人におすすめ
ガイナ塗料は多少費用がかかっても、高い断熱・遮熱効果のある塗料を探している人や、耐久性が高い塗料を探している人におすすめです。また、ガイナ塗料はメーカーが認定した業者でしか取り扱っていません。メーカーが認定した業者は、ガイナ塗料を扱う上で確かな技術をもっている業者といえます。
ガイナ塗料の特徴、メリット・デメリットを紹介しました。ガイナ塗料は、省エネの他に、生活の質を上げてくれるメリットが期待できます。費用はかかりますが、高い断熱効果や遮熱効果を期待したい人は、ガイナ塗料を使った外壁塗装を検討するとよいでしょう。