サイディングボードという言葉を聞いたことがあるでしょうか。一般的に広く知られた言葉ではなく、一体何を指すのか分からないという方も多いかもしれません。今後自宅を建築予定の方や、外壁の修理を検討している方はサイディングボードについて知っていると便利です。今回はサイディングボードの基礎知識について紹介します。
サイディングボードとは
建築デザインに流行があるように、建築に使用される材料にも流行があります。かつてもっとも多く使用されていたのは、モルタルという名前の外壁材でした。しかし現在は、サイディングという外壁材が一般的です。サイディングボードとは、外壁材であるサイディングが板状になったものを指します。
■サイディングボードの工法はモルタルより簡単
モルタルを外壁材として使用する場合、建築の現場で塗り固めていく必要があります。一方サイディングボードを外壁材として使用する場合、工場で作られたボードを現場で組み立てていくだけなので簡単です。またモルタルは塗り固めるのに時間がかかりますが、サイディングボードはより短期間で組み立てが完了します。
サイディングボードは大きくわけて4種類ある
使用される頻度の高いサイディングボード4種類を紹介します。
■デザインが豊富な窯業系
外壁は建築物の印象を決める重要な要素の一つです。窯業系サイディングボードは、他の3種類のサイディングボードと比較してデザインが多いという特徴があります。最近では鏡面に仕上げた窯業系サイディングボードまで登場しており、近未来的な外壁材としても人気です。また火に強いため、火事といった有事の際には実力を発揮してくれるでしょう。
■地震の際も安心の金属系
重たい家は地震が起きたときに崩れやすく、外壁材の重さも影響してしまいます。金属系サイディングボードは軽い外壁材なので、より耐震性を重視する場合に選択するのがおすすめです。金属なので錆びはありますが、壊れにくいためメンテナンス費用も抑えられます。ただ初期費用は他のサイディングボードよりも高くなってしまうため、予算を踏まえて導入を検討しましょう。
■海外人気の高い樹脂系
日本ではあまりなじみがない、樹脂系サイディングボードという種類もあります。耐久性も高いので、今後の普及が期待される外壁材です。湿気に強く、雨の多い地域や海に近い地域で好まれます。アメリカやカナダは日本よりも悪天候による災害が多く発生しているため、樹脂系サイディングボードが人気です。
■素材の質感を楽しめる木質系
木材を使用した木質系サイディングは、一つとして同じデザインが存在しません。木材それぞれの風合いを楽しめるため、木を基調とした建築スタイルが理想の方におすすめです。断熱性が高いため、気温の高い地域でよく利用されています。サイディングボードになると木材が吸収した二酸化炭素が排出されなくなるので、環境にも配慮できる外壁材です。費用は他の種類のサイディングボードより高価となってしまいます。
サイディングボードの選び方
サイディングボードは目的に合わせて選びましょう。木の温もりを感じられる建物にしたいなら木質系が、地震が多い地域の建物であれば金属系が適しています。それぞれのサイディングボードにメリットがありますが、費用の面などデメリットもあるので両方を踏まえて検討しましょう。
サイディングボードは定期的なメンテナンスが必要
どの種類のサイディングボードを選んでも、定期的にメンテナンスをしなければなりません。一番メンテナンスが必要なのは木質系です。樹脂系や金属系は頻繁なメンテナンスは必要ありませんが、どんなに強度が高くても破損は起こります。小さな破損から大規模な修理に発展する前に、専門業者に依頼して問題がないことを確認してもらいましょう。
外壁材として主流になってきているサイディングボードは、モルタルより組み立てが簡単で工期も短期間で済みます。窯業系、金属系、樹脂系、木質系の4種類があり、デザインや耐久性などそれぞれにメリットがあります。建物のイメージや目的に合わせて適切なサイディングボードを選びましょう。定期的にメンテナンスを行うことで、大きな修理につながる破損を防ぐことができます。