マイホームの外壁に生えるカビに悩まされている家庭も多いことでしょう。そのような場合は、塗り替えの際に「防カビ塗料」を使用することをおすすめします。本記事では、防カビ塗料の選び方や使用時の注意点を詳しく解説します。本記事が、外壁塗装に用いる塗料選びで悩む人の参考になれば幸いです。
そもそも防カビ塗料とは
防カビ塗料とは、通常の塗料に防カビ剤や抗菌材を加えたもので、カビの発生を抑える効果があります。塗料としての基本的な性能は通常の塗料と同様で、ウレタン系やアクリル系などの樹脂によって耐久性が異なり、色も顔料によって決まるのが特徴です。
そして、外壁用の防カビ塗料には防藻剤も含まれていることが多く、湿気の多い地域や日陰になりやすい場所に適しています。室内外を問わず、カビ対策として効果的な塗料です。
防カビ塗料の選び方
防カビ塗料を選ぶ際は、単に「防カビ成分入り」と表記されているだけでは不十分です。JIS規格のテストで評価される防カビ性能は、限られた種類のカビに対する耐性であり、一般的な建物で検出される約57種類のカビすべてに対応しているわけではありません。
そのため、より多くのカビや菌に対応している塗料を選ぶことが重要です。また、既存の外壁や内装の状態によって最適な塗料は異なるため、施工業者や塗料メーカーと相談しながら選定することをおすすめします。
さらに、防カビ性能だけでなく、塗料のグレードや耐用年数も考慮することで、長期的に快適な住環境を保つことができます。国内の主要な塗料メーカーである「日本ペイント」「関西ペイント」「エスケー化研」の製品には、防カビ・防藻成分が標準で含まれていることが多いため、これらのメーカーの商品を中心に検討するのも一つの方法です。
信頼性の高いメーカーの製品を選びつつ、性能と価格のバランスを考慮し、予算に合った防カビ塗料を選ぶことが大切です。
防カビ塗料を使用する際の注意点
外壁塗装に防カビ塗料を使用する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
防カビ塗料はカビを完全に防げるわけではない
まず1つ目の注意点は、防カビ塗料を使えば完全にカビが生えなくなるわけではないということです。防カビ塗料は特定の種類のカビに効果を持つよう設計されていますが、全てのカビに対応しているわけではありません。
また、時間の経過とともにカビが耐性を持ち、防カビ成分の効果が薄れる可能性もあるため、効果を過信しすぎないことが大切です。
すでについているカビを除去することはできない
2つ目の注意点は、防カビ塗料が既存のカビを除去する効果を持っていないという点です。既に外壁にカビが生えている場合、防カビ塗料を塗るだけでは意味がなく、まずバイオ洗浄やカビを殺菌する下地処理が必要です。
カビの根をしっかり除去しないと、塗装後に再びカビが発生する原因となります。
防カビ成分と塗料そのものの耐久性は別
3つ目の注意点は、防カビ成分はあくまで機能の一部であり、塗料の耐久性とは別であることです。防カビ成分が入っているからといって、塗料全体の寿命が延びるわけではありません。
塗料の耐用年数は、主に使用されている樹脂の種類(シリコン、ウレタン、アクリルなど)によって決まります。そのため、長持ちする外壁を実現するには防カビ性能だけでなく、塗料そのもののグレードや耐候性も併せて考慮する必要があります。
まとめ
防カビ塗料は、外壁のカビ対策に効果的な選択肢です。しかし、選び方や使用方法を誤ると期待した効果を得られないこともあります。本記事では、防カビ塗料の基本的な仕組みや、適切な製品選びのポイント、そして使用時に注意すべき点を詳しく解説しました。防カビ塗料は万能ではないので、事前のカビ除去や塗料のグレード選びも重要です。信頼できるメーカー製品を選び、施工業者と相談しながら進めることで、長期的に美しく清潔な外壁を保つことができます。