外壁塗装の訪問販売を行っている業者のなかには、悪徳な業者も存在します。悪徳業者は、多種多様な営業トークを駆使して、契約に誘導します。このような悪徳業者に騙されないために、まずは業者の売り込み手法について理解しましょう。本記事では、悪徳業者の売り込み手法と売り込まれた際の断り方について解説します。
悪質業者による訪問販売の相談件数
2021年度に国民生活センターが受け取った相談件数は、リフォーム工事(「屋根工事」「壁工事」「増改築工事」「塗装工事」「内装工事」)に関する訪問販売として、9,753件と報告されています。この相談件数は、直近で過去最高の数値となっています。とくに、外壁塗装を含むリフォーム業界では、訪問販売による営業手法が広く行われており、なかには悪質な手法を使う業者も存在します。訪問販売は法律によって禁止されているわけではありません。
しかし、訪問販売のなかには悪質な販売業者が存在しており、消費者は詐欺の被害に遭うことがあります。被害に遭わないためには、実際に被害に遭った人の事例や、悪質な訪問販売業者が使用する手法や話術を理解しておきましょう。
訪問販売員はどうやって売り込みをするのか
訪問販売では、さまざまな手法を使って外壁塗装の営業をします。ここでは、代表的な売り込み手法について紹介します。
点検商法
点検商法は、無料で地域の家を点検するという名目で訪問販売員が家にきます。その際、外壁にヒビが入っているなどと不安を煽るような営業トークで、急いで外壁塗装をするように提案されます。しかしこの手法は、詐欺にも使われる手法であり、注意が必要です。今すぐ塗装が必要と販売員に急かされても、冷静に判断するようにしましょう。
モニター商法
モニター商法とは、実績が少ない地域で「モニター価格で塗装する」と宣伝しておき、安い価格で営業をかける手法です。その際に、見積書に数十万円の値引きがある場合、注意しましょう。値引きが大幅にされているときは雑な施工をされる場合があり、塗膜の早期劣化につながる可能性があります。
足場代無料
訪問販売業者が「今だけ足場代無料」というキャンペーンをしていることは、よくある手段です。一見お得と思いがちですが、実際は足場の金額を他の項目に含んでいます。一般家庭の足場代は20万円〜30万円程度かかるため、この費用を無料にすることは無理があります。ただし、お得なキャンペーンを行っている業者もあるため、見極めが難しいところでもあります。
訪問販売の正しい断り方・対処法とは
訪問販売員はさまざまな手口で消費者に接近し、高圧的な態度で接してくることもあります。これに対する最も有効な断り方は、ドアを開けずにきっぱり断ることです。
近年の法律では、一度断った家への再訪問は禁止されており、再度訪問された場合は警察に通報することができます。しかし、庭にいたりちょうど帰宅したタイミングで訪問販売員が現れる可能性もあります。万が一、強引に契約させられてしまった場合には、クーリングオフによって対処するようにしましょう。
まとめ
今回は、悪徳業者の売り込み手法と売り込まれた際の断り方について紹介しました。毎年、国民生活センターには、訪問販売についての相談が多く寄せられています。訪問販売者のなかには悪質な業者も存在しており、詐欺の被害に遭う消費者が一定数いるためです。なお、悪質な業者は「点検商法」「モニター商法」「足場代無料」という営業トークをよく使います。これらの言葉があったときは、悪質な手口かもしれないと考えましょう。また、訪問販売では、そもそも扉を開けない、きっぱりと断るという判断が大切です。訪問販売員がしつこく契約を迫るようであれば、警察への通報も視野に入れましょう。