住宅の新築やリフォームでもらえる・戻ってくるお金といえば「住まい給付金」が思いつきますが、それ以外にも、バリアフリーや耐震性向上などの名目で補助金が設けられています。申請すればもらえるお金はいろいろあるのですね。外壁塗装の補助金もその一つ。ここでは外壁塗装の狙いや補助金の例、申請方法などを見ていきましょう。
外壁塗装の補助金例
外壁塗装の補助金と耳にすると、外壁のリフォームを検討中の方なら、きっと目が輝いたことでしょう。実際に数多くの県や市町村が地域にお住いの方に向けて、独自に外壁塗装の補助金を用意しています。
しかし注意したいのは、多くの地域では条件を設けていることです。単に塗装が劣化してきたから塗り直すという理由では補助金の対象外になってしまいます。また、もらえる金額にも開きがあるのです。
条件は地域によって異なるのですが、東京都品川区の例を見てみましょう。外壁塗装は「住宅改善工事助成事業」の一環とされており、対象になるのは「遮熱性塗装」です。遮熱性塗装とは、建物を暑さから守る効果がある塗装のことです。
塗料にはセラミックなどを加えてあり、太陽光線を反射する仕組みになっています。一般的な塗料と断熱性塗料を比較すると、塗装した裏面の温度の上昇が緩やかになりますから、光熱費の削減を見込むことができるのです。
つまり品川区では、省エネリフォームの一環として外壁塗装を行った場合に、補助金が出るのです。そして、これと同じような制限を設けている地域がほとんどです。品川区でもらえる補助金は一般の住宅で工事費用の10%、上限は20万円となっています。他の地域では工事費用の20%となっていたり、上限が10万円となっていたりとばらつきがありますが、おおむね工事費用の10~20%、上限は10~20万といったところでしょうか。大阪府摂津市のように工事費用の50%、上限は25万円という破格のケースもあります。
補助金を申請する際の一般的な流れ
東京都品川区の場合、補助金を受け取るには以下の手順を踏まなければなりませんが、この流れは他の地域でもほぼ共通しています。
①工事着手届の提出
②工事期間の写真の提出
③助成申請書の提出
④助成金の交付
申請で最も注意すべきは①の「工事に着手する前に届け出る」というところです。工事が終わってから届けて出ても補助金はもらえません。また①には「工事着手届」や「見積書」「工事契約書」工事を予定している箇所の写真といった、外壁塗装業者が用意するべき書類が必要になりますから、見積りを取る段階から、業者に補助金を申請したい旨を伝えましょう。
②~④についても、基本的には業者が代行してくれるでしょうから、お客様が行うことはありません。ただ「住民票の写し」や「住民税納税証明書」などは、必要になるかもしれません。
補助金の有無を確かめるには
お住まいの地域が外壁塗装の補助金を用意しているかどうかを調べるには、お住まいの地域の市町村役所に問い合わせるのが一番です。住宅課や住宅政策課などが窓口になっています。
また、Webサイトなら(一社)リフォーム推進協議会が運営する「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」(http://www.j-reform.com/reform-support)が便利です。お住まいの地域をチェックして検索すれば外壁塗装以外にも、その地域での補助金がもえるリフォームの一覧を見ることができます。
外壁塗装で補助金がもらえるとは有難い話ですが、ただ塗り直すだけではもらえません。たとえば遮熱性塗装など、最新型の住宅性能に近付けるためのリフォームであることが必要です。そして、これらの補助金について塗装業者は詳しいものです。お住まいの地域が外壁塗装で補助金を用意しているかも知っていますし、どんな塗料を使えばよいかなど提案もあるはず。申請手続きについても熟知していることでしょう。補助金をかしこく利用して、満足のいく外壁塗装に仕上げましょう。